特定技能2号の試験、不合格になっても1号を伸ばせる?
- a-alpajaro
- 10月17日
- 読了時間: 7分
更新日:4 日前

特定技能制度の改正により、特定技能1号を持っている外国人が日本でもっと長く働ける可能性は高くなりました。5年を超えて在留する相当の理由があると認められた場合、通算在留期間は6年となり1年延長できます。特定技能2号の試験に受からなかったとしても、合格基準点の80%以上の得点を得られたら延長が可能です。特定技能者を採用している企業様にも、外国人材にとても嬉しい変化になりました。
特定技能制度とは?
特定技能制度は、日本の労働市場における外国人労働者の受け入れを促進するために設けられた制度です。特定技能1号と2号は、それぞれ異なる技能レベルと就労期間を規定しています。特定技能1号では、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が対象となり、最長5年間の就労が認められています。一方、特定技能2号は、より高度な技能を持つ労働者向けで、就労期間に制限がなく、家族の帯同も可能です。
しかし、特定技能2号への移行は試験に合格する必要があり、これまで多くの外国人労働者にとっては高いハードルとなっていました。最近の制度改正により、特定技能2号の試験に不合格であっても、合格基準点の80%以上の得点を取得した場合、特定技能1号の滞在期間が延長可能となりました。これにより、特定技能1号を持つ外国人労働者は、より長く日本で働くことができるようになり、企業にとっても人材確保の面で大きなメリットがあります。
この変更は、特定技能者を採用する企業にとっても、外国人労働者にとっても歓迎される動きです。企業は安定した労働力を確保でき、外国人労働者はキャリアを日本で継続するチャンスが広がります。このような制度の変化を理解し、適切に対応することで、企業と外国人労働者の双方がより良い関係を築くことができるでしょう。

特定技能1号について
制度が開始された背景
特定技能制度は、日本における労働力不足を補うために導入された制度で、2019年4月に施行されました。この制度が設けられた背景には、日本の少子高齢化による労働力不足の深刻化が挙げられます。特に建設業や介護業、農業などの分野では、国内の人材確保が難しくなっており、外国人労働者の受け入れが急務とされていました。
特定技能制度は、特定技能1号と特定技能2号の2つのカテゴリーに分かれています。特定技能1号は、特定の業種において一定の技能を有する外国人を対象とし、最長5年間の在留が可能です。一方、特定技能2号は、より高度な技能を持つ外国人を対象とし、在留期間の更新が可能で家族の帯同も認められています。
特定技能1号になれる業種や手順
特定技能1号は、以下の16分野で外国人労働者が受け入れ可能です。

これらの分野は、日本国内で人手不足が特に顕著であるとされています。16分野となっており、各業界の人手不足の解消を目指しています。
具体例・手順
特定技能1号で働くためには、以下の手順が必要です。
1. 技能試験・日本語試験の合格: 各分野で定められた技能試験および日本語試験に合格する必要があります。
技能試験情報:
日本語試験:
JLPT N4 または
JFT A2
【重要】技能実習2号または3号まで終了した人材は日本語試験が免除されます
2. 雇用契約の締結: 日本の受け入れ企業と雇用契約を結びます。3. 在留資格認定証明書の申請: 受け入れ企業が在留資格認定証明書を申請し、取得しましょう。4. 在留資格の取得: 在外公館で在留資格を取得し、日本に入国します。

特定技能2号について
特定技能2号の概要と1号との違いは?
特定技能制度は、日本の労働力不足を補うために設けられた在留資格で、特定技能1号と特定技能2号があります。特定技能2号は特定技能1号の上位資格であり、以下の点で違いがあります。

特定技能2号になるためには?
特定技能2号に移行するためには、特定の条件を満たす必要があります。以下でその詳細を説明しましょう。
移行・更新に関する要件
- 試験の合格:
特定技能1号から2号に移行するためには、該当する業種の「特定技能2号評価試験」または「技能検定1級」を合格する必要があります。

- 熟練要件:
特定技能2号では、より高度な技能と経験が求められます。具体的な要件は業種によって異なりますが、通常は一定の実務経験が求められます。
チェックリスト
特定技能2号への移行を考えている方は、以下のチェックリストを参考にしてください。
- 現在の在留資格が特定技能1号であることを確認
・【注意】特定技能1号としての実務経歴なしで特定技能2号になることは不可能- 所定の技能試験に合格していること- 業種ごとの実務経験を満たしていること- 必要な書類を準備し、在留資格更新の手続きを行うこと
特定技能2号への移行には、業種ごとに異なる要件があるため、最新の情報を常に確認し、必要な手続きを適切に行うことが重要です。
特定技能2号の試験に合格しなくても滞在できる要件は?
日本で働く外国人労働者にとって、特定技能評価試験の合格は重要なステップです。しかし、試験に合格しなくても滞在を延長できる新たな要件が設けられました。以下では、その詳細と必要な手続きについて説明します。
合格基準点の80%で滞在期間延長が可能に
特定技能評価試験は、日本で特定の技能を持つ外国人労働者が滞在するために必要な試験です。従来はこの試験への合格が特定技能1号から2号に更新し、日本の滞在期間を延長するためには必須だったものの、最近の変更により、合格基準点の80%以上を取得した場合、滞在期間の延長が可能となりました。
- 背景: 労働力不足が深刻化する中で、より多くの外国人労働者を受け入れるための措置として、試験合格要件が緩和されました。
- 具体的な要件:試験の合格基準点の80%以上を取得すること。
- 正確な点数は試験の種類や分野によって異なります。
- 影響: この変更により、試験に合格しなくても一定の技能を証明できる労働者が滞在を続けられるようになり、日本での就労機会が広がります。

延長に必要な申請手続き
滞在期間の延長には試験のスコアだけでなく、いくつかの手続きが必要です。以下でその手順を説明しましょう。
- 申請書の提出:
特定技能ビザの「在留期間更新許可申請書」「通算在留期間を超える在留に関する申立書」に必要事項を記載し、入国管理局に提出します。
提出書類には雇用契約書、試験のスコア証明書、在留カードのコピーなどの添付が必要です。
- 雇用主の協力:
雇用主からの推薦状や、雇用契約の継続確認が求められる場合もあります。
労働条件が適正であることを証明するための書類も必要です。
- 手数料の支払い:
滞在延長には手数料がかかります。金額は変更されることがあるため、最新の情報は入国管理局の公式サイトで確認してください。
- 面接や追加書類の要求:
必要に応じて、面接や追加書類の提出を求められる場合があります。準備を怠らないようにしましょう。
まとめ
特定技能制度の改正により、特定技能1号の外国人労働者は、これまでの最長5年を超えて、一定の条件を満たせば最長6年まで在留できるようになりました。特定技能2号試験に合格しなくても、合格基準点の80%以上を取得すれば在留期間の延長が認められるなど、制度が緩和されています。これにより、外国人労働者はより長く日本で働くチャンスを得られ、企業側も安定した人材を確保しやすくなりました。改正の背景には、深刻化する人手不足への対応と外国人労働者の定着促進があります。企業と外国人双方にとってメリットの大きい制度改正として、今後の活用が期待されています。
外国人採用に関するインサイトや最新の情報は、今後もProud Insightsをご参照ください。

校正者
三沢 尚広 (宮城県在住・行政書士)
行政書士業務の傍ら、「外国人採用」「在留手続」に関する記事ライターとして活動している。外国人の存在が日本経済に影響を与え続けると考え、外国人材の育成や活用に大きな関心を持っている。今後も外国人の採用や諸手続きに関する有益な情報を発信していく予定である。

















