ビザ取得前に必要?外国人の雇用契約
- a-alpajaro
- 10月22日
- 読了時間: 7分
更新日:4 日前

外国人を雇用するに当たって、契約が先なのかビザが先なのか迷う場合もあるでしょう。本記事は初めて外国人採用を行う担当者でも、自信をもって採用手続きが進められるガイドになっています。外国人採用のプロセスを1から解説します。
外国人を採用する際に、雇用契約とビザ取得のどちらを先に進めるべきか、混乱する企業担当者は少なくありません。特に特定技能や技能実習制度を利用する場合、手続きの流れを誤ると、採用が遅れるだけでなく、法的な問題を引き起こす可能性もあります。外国人労働者の採用は、日本の労働力不足を補う有効な手段である一方、適切な手続きと理解が求められます。
外国人採用を始める企業にとって、雇用契約とビザ申請の順序は重要なポイントです。一般的に雇用契約はビザ申請の前に締結します。なぜなら、ビザ申請時に雇用契約書が提出書類として必要だからです。特定技能や技能実習のビザ申請には、外国人の受け入れ準備が整っていることを示すため、書類の収集が必要です。これには雇用契約書の他、企業の事業内容や労働条件に関する詳細な情報も含まれます。外国人労働者を採用するプロセスは、各ステップでの正確な理解と適切な対応が不可欠です。

外国人雇用とビザの関係
外国人を雇用する際には、雇用契約とビザ(在留資格)の手続きが密接に関連しています。特に、日本で働くためには適切な在留資格を取得する必要があり、そのための手続きは雇用者と被雇用者の双方にとって重要です。以下では、雇用契約と在留資格認定証明書の手続き順序、そして採用内定から在留資格申請までの一般的な流れについて詳しく解説します。
雇用契約と在留資格認定証明書の順序
外国人を雇用する際には、まず雇用契約を結び、その後に在留資格認定証明書を取得する手続きが一般的です。以下にその手順を説明しましょう。
雇用契約の締結
- 雇用者側が被雇用者の労働条件や業務内容を明確にした後に、 雇用者と被雇用者の間で雇用契約を締結します。
- 契約書には、労働時間、給与、勤務地などの詳細を明記しましょう。
在留資格認定証明書の申請(ビザ申請)
- 雇用契約を基に、雇用者が法務省に対して在留資格認定証明書を申請します。
- 提出書類には雇用契約書、会社の登記事項証明書、直近の決算書、職務内容説明書、社会保険および雇用保険加入証明書などの添付が必要です。
- 証明書の発行には通常1〜3ヶ月程度かかります。

在留資格申請までの流れ
外国人を採用する際の一般的な流れは以下の通りです。
1. 採用内定の通知
- 採用内定を出し、被雇用者に通知します。
- 内定通知書には、採用条件や入社予定日を明記しましょう。
2. 雇用契約の締結
- 内定を受けた被雇用者と正式に雇用契約を結びます。
- 契約内容は双方が理解し、合意することが重要です。
3. ビザ申請に必要な書類を準備
- 登記事項証明書や職務内容説明書などを準備します。
- 雇用者からも準備が必要な書類を用意できるように案内。
4. 在留資格認定証明書(ビザ)の申請及び取得
- 被雇用者は整えた書類をもち、日本大使館または領事館でビザを申請します。
- (国外からの採用の場合)ビザの発行後、日本に入国し就労を開始します。

雇用契約の作成に関するポイント
外国人労働者を採用する際、ビザの取得よりも先に雇用契約を締結することが一般的だと知りました。
本章では、外国人と雇用契約を結ぶ際に押さえておくべき基本事項と注意点について詳しく解説します。
提示すべき条件書・雇用契約書の必須記載項目
雇用契約書は、労働者と雇用主の双方にとって重要な合意書です。以下の項目は、必須記載事項として含める必要があります。
- 職務内容:労働者が担当する具体的な職務内容を明記します。これにより、労働者の役割と責任が明確になります。
- 報酬:基本給、手当、賞与などの報酬体系を詳細に記載します。特に、給与の支払い方法や支払い日についても明記することが求められます。
- 雇用期間:契約の有効期間、更新の可能性、終了条件などを明示します。特に契約が期間限定である場合、その理由の記載も重要です。
契約締結時に注意すべき点
雇用契約を締結する際には、在留資格未取得者との契約に注意が必要となります。
- 在留資格の取得状況:労働者がまだ在留資格を取得していない場合、その取得を前提とした条件付き契約が一般的です。これにより、在留資格が取得できなかった場合のリスクを軽減できます。
- 契約の条件付き有効性:在留資格の取得を停止条件とした雇用契約書の作成で、資格が取得できなかった場合の対応策を事前に取り決めておきましょう。
- リスク管理:在留資格が取得できない場合のリスクを評価し、代替策を用意しておくことが望ましいです。具体的には他の候補者の確保や、業務の一時的な外部委託などが考えられます。

採用担当者が知っておくべき実務フロー
採用担当者は、外国人労働者を雇用する際に必要な実務フローを理解し、適切に実施することが求められます。ここでは採用プロセスにおける重要な確認書類と、行政書士や登録支援機関との連携の重要性について説明します。
企業が行うべき確認書類
外国人労働者を雇用する際には、以下の確認書類を必ずチェックする必要があります。
在留カードの確認
- 在留カードは、外国人が日本に滞在するための法的な証明書です。採用担当者は、在留資格が、雇用契約がその範囲内であることを確認する必要があります。
- 在留カードの表面と裏面のコピーを取得し、記録を保持します。
資格外活動許可の確認
- 留学生や家族滞在者などが、在留資格に基づく活動以外の就労を希望する場合、資格外活動許可が必要です。この許可がない場合、雇用は法律違反です。
- 留学生や家族滞在社を採用する際には、資格外活動許可証の提示を求め、許可された活動内容と時間を確認します。
パスポートの確認
- パスポートの有効期限を確認し、もし満了日が近い場合は早めに更新を依頼することをおすすめします。期限が切れてしまうと、在留資格申請や各種手続きに支障をきたす可能性があるため、余裕をもって対応することが大切です。
行政書士・登録支援機関との申請サポート
外国人労働者の採用において、行政書士や登録支援機関との連携は非常に重要です。これにより、法的な手続きと書類の準備がスムーズに進みます。
行政書士との連携
- 行政書士は、在留資格の申請や更新に関する専門家です。外国人労働者の在留資格申請を円滑に進めるため、行政書士との連携を図ることが推奨されます。
- 特に、複雑なケースや特殊な在留資格が必要な場合、行政書士の専門知識が役立ちます。
登録支援機関との協力
- 登録支援機関は、外国人労働者の受け入れに関する様々なサポートを提供する機関です。具体的には生活支援や労働環境の整備などです。
- これらの機関と連携すれば、外国人労働者の生活面でのサポートが充実し、結果として労働者の定着率が向上します。

まとめ
外国人労働者を雇用する際は、雇用契約の締結とビザ申請の手続きが密接に関係しており、正しい順序で進めることが重要です。
雇用契約書には職務内容や報酬、契約期間などの基本項目を明記し、在留資格が未取得の場合は条件付き契約としてリスクを回避する工夫が求められます。
採用担当者は在留カードや資格外活動許可、パスポートの有効期限などを確認し、法的に適正な雇用を確保しなければなりません。
もっと正しく素早い対応のためには行政書士や登録支援機関と連携し、ビザ申請から採用後のサポートまで一貫して体制を整えることで、外国人材の安定した雇用することも考えられると思います。
採用に関するインサイトや最新の情報は、今後もProud Insightsをご参照ください。

校正者
三沢 尚広 (宮城県在住・行政書士)
行政書士業務の傍ら、「外国人採用」「在留手続」に関する記事ライターとして活動している。外国人の存在が日本経済に影響を与え続けると考え、外国人材の育成や活用に大きな関心を持っている。今後も外国人の採用や諸手続きに関する有益な情報を発信していく予定である。

















