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就労制限のないビザとは?

  • a-alpajaro
  • 10月20日
  • 読了時間: 8分

更新日:4 日前

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外国人が日本に入国するためのビザの種類はいろいろあります。ビザの目的によっては就労制限があるビザも多いため、本記事では日本のビザの種類を取り上げつつ、就労制限の無いビザについて解説します。



ビザとは?

そもそもビザとはなんでしょうか?日本で「ビザ」と呼ばれるものは、正式には日本への上陸を許可する「査証」と、在留中の活動を定める「在留資格」に分かれます。本記事では「在留資格」としてのビザを中心に述べることになります。


在留資格は、出入国在留管理庁によって定められた29種類があり、就労の可否や活動内容がそれぞれ異なります。そのため、日本の企業が外国人を雇用する際、ビザの種類とその就労制限を理解することは非常に重要です。


多くのビザには特定の職種や活動に限定された就労制限が設けられており、これを無視すると法律違反につながる可能性があります。例えば、「特定技能」や「技能実習」などは特定の業種での就労を前提としており、他の職種で就労は許可されていません。


これに対して就労制限がないビザも存在し、当該ビザを取得すれば、外国人が日本で自由に職業選択を行えます。就労制限のないビザの代表例として、「永住者ビザ」や「日本人の配偶者等ビザ」があります。これらのビザを持つ外国人は、職業の選択が自由であり、特定の業種や職種に縛られるずに就労が可能です。このようなビザを持つ人材を採用すれば、企業は多様なスキルや経験を持つ人材の活用が期待でき、採用の幅も広がります。


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就労系のビザ

日本での在留資格は、その種類によって就労の可否や内容に制限があります。

就労が認められる在留資格は、大きく「就労系」と「身分系」の2つに分けられます。

ここでは、特に「就労系」の在留資格について解説し、あわせて就労系の資格を持たない外国人が働けるようになる方法についても紹介します。


  • 就労系ビザの種類

就労系の在留資格は、特定の職種や業務への従事を目的としています。代表的なものには以下があります。


- 特定技能:一定の技能を有する外国人が、人手不足が深刻な指定産業分野で就労できる在留資格。建設、介護などを含む16業種が該当していて、基本的にビザを取得した業種内でしか仕事ができない。業種を変更するためには、該当する特定技能評価試験に合格する必要がある。


- 技能実習:日本の技能・技術・知識を学び、母国への移転を目的とした研修的な在留資格。最大5年間日本で働けるのだが、それ以上の延長は不可。続けて滞在するためには特定技能などのビザの更新が必要。


- 技術・人文知識・国際業務:専門的な知識やスキルを活かして、企業などで専門職として就労するための在留資格。単純労働は含まないため、採用しに注意が必要。大学卒業ほどの学位が必要となるビザ。ビザ更新の制限がない。


- 技能:調理師、航空整備士、宝石細工など、熟練した実務技能を要する職種で働くための在留資格。


- 介護:介護福祉士の資格を取得した外国人が、日本の介護施設などで介護業務に従事するための在留資格。


上記のような就労系の在留資格は、その種類によって従事できる業種や在留期間の上限が異なります。

採用を検討する際には、募集するポジションの職務内容に適した在留資格がどれに該当するのかを正確に把握することが重要です。

在留資格

活動の範囲 

在留期間 

特定技能1号・2号

• 1号:建設、介護などを含む16業種 • 2号:建設、宿泊などを含む11業種

• 1号、2号問わず、業種を変えて転職する場合は希望する業種の評価試験に合格する必要がある

• 1号:1年、6か月、ごとの更新で上限5年まで

• 2号:3年、1年、6か月ごとの更新で上限なし

技能実習1号・2号・3号

日本の技能・技術・知識を学び、母国への移転を目的とした研修的な在留資格

• 1号:1年

• 2号:2年 (技能実習2号を終了する特定技能に変更可能)

• 3号:2年

技術・人文知識・国際業務

専門的な知識やスキルを活かして、企業などで専門職として就労するための在留資格。単純労働は含まないため、注意が必要

5年、3年、1年、または3ヶ月ごとの更新で上限なし

技能

外国料理の調理師、航空整備士、宝石細工など、熟練した実務技能を要する職種で働くための在留資格

5年、3年、1年、または3ヶ月ごとの更新で上限なし

介護

介護福祉士の資格を取得した外国人が、日本の介護施設などで介護業務に従事するための在留資格。

5年、3年、1年、または3ヶ月ごとの更新で上限なし

チェックリスト:就労可否の確認

採用しようとする人材の在留資格が就労系か身分系か確認する。


資格外活動許可が必要な場合、許可を取得しているか確認する。


フルタイムでの就労が可能か、在留資格の制限を確認する。


身分系のビザ

身分系の在留資格は、日本人の配偶者や永住者など、身分に基づいて滞在が許可されます。これらの資格は、就労に制限がないため、どのような職種でも就労可能です。

代表的には「永住者」、「定住者」、「配偶者」、ビザがあります。こちらに関しては次のセクションで詳しく説明します。


  • 就労制限のない身分系のビザ

これらの在留資格は、日本において就労制限がないため、企業が外国人を雇用するとき非常に重要な選択肢となります。それぞれの資格の特徴と実務上のポイントを以下にまとめます。


- 永住者:法務大臣から永住の許可を受けた者として、日本に無期限で滞在可能。なお、永住者ビザの申請条件は原則として日本に連続して10年以上在留していることに重ねてそのうち就労資格または居住資格で5年以上在留している必要があるとなっているため、安定した雇用が期待できるのかと思います。


- 定住者:法務大臣が個別の事情を考慮して日本での長期滞在を認める在留資格として、日系3世や中国残留邦人など、特定の理由で日本に定住する許可を得た外国人。就労制限はないです。


- 日本人の配偶者等:日本人と結婚している外国人であり、家族との生活が安定しているため、定住意識が高いことが多いです。就労制限も特にないです。


- 永住者の配偶者等:日本に滞在する永住者と結婚している外国人であれば取得できる身分系のビザです。日本人の配偶者と同じく就労制限はないです。

在留資格 

ビザの説明・活動の範囲 

就労可否

永住者

日本に長期間在留し、法務大臣から永住許可を受けた外国人が無期限で日本に居住・就労できる在留資格

可能

定住者

特別な理由により日本への定住を許可された外国人が、一定の在留期間で生活・就労できる在留資格

可能

日本人の配偶者等

日本人の配偶者等:日本人の配偶者、実子、または特別養子として日本に在留・就労できる在留資格

可能

永住者の配偶者等

永住者または永住者だった者の配偶者、またはその実子として日本に在留するための在留資格で、就労制限がなく、自由に職業を選んで働くことができます。

可能

上記の身分系の在留資格を持つ外国人であれば、就労制限なく採用することが可能です。

ただし、在留カードに記載された「在留期限」を必ず確認し、更新時期を適切に管理する必要があります。


また、身分系の在留資格を持つ外国人であっても、雇用保険や社会保険への加入は日本人と同様に義務であり、就労制限がないことがこれらの義務から免除されることを意味するわけではありません。企業は身分系の在留資格を持つ外国人であっても、在留期限の確認と社会保険手続きの適正管理を徹底することで、法令遵守と安心な雇用環境の両立を図ることが重要です。


資格外活動許可と就労範囲

  • 資格外活動許可とは

資格外活動許可は、主に就労系以外の在留資格を持つ外国人が、許可された範囲で就労するために必要な許可です。ここでは、資格外活動許可とフルタイム就労の可否について説明します。


- 資格外活動許可

例えば、留学生がアルバイトをするときは資格外活動許可が必要です。この許可は、通常、週28時間以内の就労を認めています。長期休暇中ならこの制限が緩和される場合もあります。


  • 資格外活動許可の就労範囲

- フルタイム就労の可否

資格外活動許可を得ているときはフルタイム就労が許可されません。フルタイムとして就労するためには就労系のビザに更新する必要があります。

在留資格 

ビザの説明 

可能勤務時間

備考

留学

日本の学校や教育機関で学ぶことを目的として在留するための在留資格

週28時間以内

  • 教育機関の長期休暇中に限り、週40時間以内の勤務が認められる

家族滞在

就労や留学などの在留資格を持つ外国人の配偶者や子が、日本で共に生活することを目的として在留するための在留資格

週28時間以内

  • 家族と扶養関係を維持する必要がある

  • 特定技能1号・技能実習は原則として家族滞在ビザが下りない

まとめ

日本で外国人が働くためには、在留資格(ビザ)の種類ごとに就労の可否や範囲が異なります。

「特定技能」や「技能実習」などの就労系ビザは、特定の業種・職種に限定されている一方で、「永住者」や「日本人の配偶者等」などの身分系ビザは就労制限がありません。

採用時には在留カードで資格や就労制限欄を確認し、資格外活動許可が必要な場合は必ず取得を確認することが重要です。


制度を正しく理解し、適法に雇用を行うことで、外国人材の安定した就労と企業の信頼性向上につながります。


外国人採用に関するインサイトや最新の情報は、今後もProud Insightsをご参照ください。


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校正者

三沢 尚広 (宮城県在住・行政書士)

行政書士業務の傍ら、「外国人採用」「在留手続」に関する記事ライターとして活動している。外国人の存在が日本経済に影響を与え続けると考え、外国人材の育成や活用に大きな関心を持っている。今後も外国人の採用や諸手続きに関する有益な情報を発信していく予定である。


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