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建設分野で転職を経験した特定技能者は10.8%

  • a-alpajaro
  • 3 日前
  • 読了時間: 5分
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10月30日の有識者会議で報告され、育成就労制度の転籍制限期間の検討資料に基づき、直近の4年間、業種ごとの特定技能就労者の転職率を比較して分析して、特に建設業で覚えておくべき事項は何があるのか解説いたします。



特定技能1号の転職率を調べる

出入国在留管理庁は10月30日、第9回「特定技能制度及び育成就労制度の基本方針並びに分野別運用方針に関する有識者会議」を開催しました。


この会議では、外国人材の受け入れにおける現状の課題を共有し、今後の制度運用の方向性について議論が行われました。


その中では、既存の技能実習制度を見直し・改編するために2027年4月1日から施行が予定されている「育成就労制度」に関する議論や、特定技能制度の改善点についても検討が行われました。


その中でも、特定技能制度に関する主要な論点のひとつが特定技能者の転職率でした。


出入国在留管理庁が発表した資料によると、2021年から2024年の間に転職を経験した特定技能者は全体の22.4%で、そのうち約98%が就労開始から3年未満で転職していることが明らかになりました。


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ただ、嬉しいことに、2022年以降は3年連続で転職率が低下しており、特定技能制度は徐々に安定しつつあると言えます。


2021年の転職率が29.2%だったのに対し、2024年には12.2%と約17%低下しました。


この数値は、日本国内の大学新卒者が就職後3年未満で転職する平均値である約35%と比べても、かなり低い水準となっています。


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続いて、業種別に特定技能者の転職率を細かく解説いたします。


建設業の転職率は12業種の内、2番目で低い

建設業界における転職率が12業種中2番目に低いことは、業界の特性と制度が大きく影響しています。以下では、転職率の詳細とその背景について解説します。


  • 転職率が低い業種:航空 & 建設

- 航空業界:転職率が最も低い業種で、9.0%という数値が示されています。これは、航空業界が専門性の高いスキルを必要とし、訓練や資格取得が厳格であることが影響しています。


- 建設業界:転職率は10.8%で、12業種中2番目に低いです。建設業界もまた、専門的な技術と知識が求められるため、転籍が少ない傾向にあります。


  • 建設業の転職率が低くなれた主な理由

- 工期の長期化:建設プロジェクトは長期にわたることが多く、プロジェクトの途中で人員が変わることは効率を下げる要因となります。そのため、転籍の制限が設けられています。


- 安全教育の重要性:建設業では安全が最優先されるため、新しく入った人材に対する安全教育が徹底されています。この教育には時間がかかるため、頻繁な転籍は避けられています。


- 転籍制限の期間:建設業で上記のような理由によって転籍制限を2年とすることで、一定の期間、同じ事業所に従事することを求めています。これにより、技術の習得と安全意識の向上を図っています。


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転職率が高い業種は農業、漁業、食品材料製造

  • 2回以上、転籍した就労者も他業種と比べて5~10%ほど高い

農業、漁業、食品材料製造業は、他の業種と比較して転職率が高いことが知られています。特に、これらの業種においては2回以上転籍した就労者の割合が、他業種と比べて5~10%ほど高い傾向があります。この現象にはいくつかの要因が考えられます。


- 季節労働の影響:農業や漁業は季節に依存する部分が大きく、一定期間の契約終了後に他の職場へ転籍するケースが多いです。


- 労働条件の変動:労働時間や賃金が不安定であることが多く、より良い条件を求めて転籍する労働者が増えます。


- 技術革新とスキルのミスマッチ:新しい技術の導入により、既存のスキルが通用しなくなることがあり、別の業種への転籍を余儀なくされる場合があります。


  • 3業種とも23→24年度には転職率が10%以上軽減

2023年度から2024年度にかけて、農業、漁業、食品材料製造業の転職率が10%以上下がったことは、これらの業種における労働環境が改善されつつあることを示しています。この改善には、いくつかの要因が寄与しています。


- 労働環境の改善:労働時間の見直しや賃金の引き上げが行われ、労働者の定着率が向上しています。


- 技術教育の充実:新技術に対応するための研修や教育プログラムが充実し、スキルのミスマッチが減少しています。


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  • 具体例と今後の展望

具体的な例として、ある食品材料製造企業では、労働者のスキルアップを目的とした定期的な研修を実施し、転職率の低下に成功しています。このような取り組みが他の企業にも広がることで、業界全体の転職率がさらに低下することが期待されています。


今後の展望としては、以下の点が重要です。

- 継続的な労働環境の見直し:労働者の声を反映した環境改善が求められます。


- 技術革新への対応:新技術に対応できる柔軟な人材育成が必要です。


- 業界全体の協力:各企業が協力して労働者の定着を図ることが、業界全体の発展につながります。

これらの取り組みを通じて、農業、漁業、食品材料製造業における転職率のさらなる改善が期待されます。最新の情報や具体的な数値については、公的機関のデータを確認することをお勧めします。


まとめ

今回の分析から、特定技能制度は導入当初に比べて着実に安定しつつあり、業種によって転職率に明確な差があることがわかりました。


特に建設業では長期的な雇用と安全教育の徹底が転職率の低下につながっており、制度の成熟が進んでいると言えます。


一方で、農業や漁業、食品製造など季節性や労働条件の変動が大きい業種では、依然として課題が残ります。


2027年に施行予定の「育成就労制度」では、これらの実態を踏まえた柔軟な運用が求められるでしょう。


外国人労働者が安心して働ける環境を整備することこそが、今後の日本の持続的な人材確保の鍵となります。


採用に関するインサイトや最新の情報は、今後もProud Insightsをご参照ください。

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